母の実家で
昭和10年代、小学校低学年の頃の爺は、春、夏、冬休みのほか、春と秋の農繁期休みになると、しつけのために、呉服店だった母の実家で過ごしていた時のことを時々思い出す。
当時の母の実家のある町内には薬屋さん、八百屋さん、お茶屋さん、お菓子屋さん、味噌醤油屋さん、床屋さん、医院(内科、耳鼻科、外科)があって、常に人通りが多く賑わっていた。
実家には、祖父母のほか、大工さんである叔父さんが3人、爺より年下のおばさんが1人、大婆ちゃんと呼んでいた祖父の姉の7人家族だった。日中の爺は店で接客の大婆ちゃんの傍にいた。
家族全員が揃うのは夕食の時間である。食事の準備は専ら祖母(小さい婆ちゃんと呼んでいた)、爺の席は祖父の隣だったので、食事の作法について細かく言われたが実行していない。